建設業許可を取得する際、自社の工事がどの業種に該当するかを正しく判断することは、経営戦略上もっとも重要なステップです。特に今回ご紹介する6業種は、「電気工事と電気通信工事の違い」や「機械器具設置の特殊性」など、専門家でも判断に迷うポイントが凝縮されています。

2026年現在、DX化の進展やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の普及により、これらの業種のニーズはさらに高まっています。今回は、各業種の定義から、実務で間違いやすい注意点までを徹底解説します。

⑳ 機械器具設置工事業

機械器具設置工事業

「機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取り付ける工事」を指します。

具体的な工事例

  • プラント設備工事
  • 運搬施設設置工事(コンベアなど)
  • 昇降機設置工事(エレベーター、エスカレーター)
  • 立体駐車場設備工事
  • 給排気設備工事(大規模な換気システム)

【プロの視点】「最後の手段」としての業種 機械器具設置は、他のどの業種(電気、管、電気通信など)にも当てはまらない、「複合的で大規模な機械の設置」を指します。 よくある間違いが、「エアコンの設置だから機械器具設置」というものですが、これは通常「管工事業」に該当します。また、単体で完結する機械の取り付けではなく、現場で組み上げて一つのシステムとするような大規模工事が対象です。埼玉県や東京都の審査でも、「なぜ他の業種ではダメなのか」を論理的に説明することが求められる、難易度の高い業種です。

㉑ 熱絶縁工事業

「工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事」を指します。省エネ性能が重視される2026年現在、非常に注目されている業種です。

具体的な工事例

  • 冷暖房設備、冷凍冷蔵設備の熱絶縁工事
  • 動力設備、燃料・化学工業等の設備への熱絶縁
  • ウレタン吹き付け断熱工事(建物の壁や天井など)

【注意点】断熱材の扱いに注意! 住宅の壁の中にグラスウールを入れるような一般的な断熱施工は、通常「大工工事」や「内装仕上工事」に含まれます。本業種は、配管へのラギング(巻き付け)や、特殊なウレタン吹き付けなど、「熱を遮断すること自体が主目的の専門工事」を指します。

㉒ 電気通信工事業

電気通信工事業

「有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事」を指します。

具体的な工事例

  • LAN工事、Wi-Fi環境構築
  • 防犯カメラ設置工事
  • 放送機械設置工事(テレビアンテナ、CATVなど)
  • インターホン設置工事
  • 携帯電話基地局設置工事

【2026年のトレンド】「電気工事」との違い 「電気そのもの」を供給するのが電気工事、「情報」を伝達するのが電気通信工事です。 最近では、スマートホーム化やオフィスDXにより、照明制御(電気)とネットワーク(通信)が高度に融合しています。どちらの許可で受けるべきか、あるいは「両方の許可をセットで取得」して、受注の取りこぼしを防ぐ戦略が一般的になっています。

㉓ 造園工事業

「整地、樹木の植栽、景石の据付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造する工事」を指します。

具体的な工事例

  • 庭園、公園、緑地の築造
  • 植栽工事、地被工事(芝貼りなど)
  • 景石積み、石組み工事
  • 屋上緑化、壁面緑化工事

【間違いやすいポイント!】 庭のフェンスや門扉(エクステリア)の設置をメインで行う場合、実は「造園」ではなく「とび・土工」や「石工事」の許可が必要になる場合があります。また、道路沿いの街路樹の植栽は造園ですが、道路自体の構造に関わる盛り土などは「土木一式」と判断されることもあるため、工事の主目的を見極める必要があります。

㉔ さく井(さくい)工事業

「さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事、又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事」を指します。

具体的な工事例

  • さく井工事(井戸掘り)
  • 観測井工事、還元井工事
  • 温泉掘削工事
  • 揚水設備設置工事

【プロの視点】地熱利用の拡大 近年、カーボンニュートラルの観点から「地熱」を利用した空調システムが注目されており、そのための掘削として本業種の需要が増えています。ボーリング調査(地質調査)そのものは建設工事になりませんが、井戸として仕上げる場合はこの許可が必須です。

㉕ 建具(たてぐ)工事業

「工作物に木製又は金属製の建具等を取り付ける工事」を指します。

具体的な工事例

  • サッシ取り付け工事
  • 金属製建具取り付け工事(ドア、シャッターなど)
  • 木製建具取り付け工事(ふすま、障子など)
  • 自動ドア取り付け工事

【注意点】「ガラス工事」との重なり 「サッシにガラスをはめ込んで取り付ける」工事は、建具工事とガラス工事のどちらにも見えますが、サッシの取り付けがメインであれば「建具工事」となります。また、最近ではスマートロックの設置などもこの建具工事に関連してきますが、電気的な配線が伴う場合は「電気工事」の知識も必要になるため、附帯工事としての整理が重要です。

2026年、実務経験を証明する際の「新常識」

2026年現在、埼玉県庁をはじめとする各自治体の審査では、「実務経験の裏付け資料」のデジタル化が進んでいます。

  1. 電子請求書・電子契約書の活用: これまで紙で保存していた契約書や請求書をPDFで管理している場合、電子申請(JCIP)へのアップロードがスムーズになります。
  2. 工種名の具体性: 単に「設置工事」と書くのではなく、「防犯カメラ設置(電気通信)」「業務用エアコン設置(管)」と、許可業種を意識した名称で記録を残しておくことが、10年後の許可取得を左右します。

まとめ:自社のメイン業種は見つかりましたか?

今回ご紹介した6業種は、非常に専門性が高く、かつ他の業種との「取り合い」が発生しやすいものばかりです。 「うちはいつも造園と外構をセットでやっているが、造園の許可だけでいいのか?」 「機械器具設置の経験として10年分書類を揃えたが、実は管工事と言われないか?」

そんな不安を感じたら、それは「業種判断の分岐点」に立っています。

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当事務所では、埼玉県・東京都を中心に、数千件の業種判断を行ってきた実績があります。特に「判断が難しいマイナー業種」や「複合的な設備工事」の交通整理を得意としています。

建設業許可申請専門 YAS行政書士事務所

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