
「やっと建設業許可が取れた!これで大きな仕事ができる!」 そう喜んでいる経営者様に、あえて厳しい現実をお伝えしなければなりません。建設業許可は、取得することよりも、維持することの方が数倍大変です。
2026年現在、コンプライアンス(法令遵守)の要求は極めて高まっており、毎年の報告や変更の届出を一つでも怠ると、「5年後の更新が受理されない」「公共工事の入札に参加できない」といった深刻なペナルティが課せられます。
今回は、許可取得後に絶対に忘れてはならない「3つの義務」と、実務上の注意点をプロの行政書士が徹底解説します。
1. 毎年の「決算」と同じくらい重要!事業年度終了報告(決算報告)

建設業許可業者は、毎事業年度が終了するたびに、その年度の工事実績や財務状況を報告する義務があります。これを一般に「決算報告(または決算変更届)」と呼びます。
報告の期限
毎事業年度終了後、4ヶ月以内 (例:3月末決算の会社なら、7月末までが期限です)
【2026年の新常識】電子申請(JCIP)への移行
以前は紙の書類を県庁へ持参していましたが、現在は「建設業許可等電子申請システム(JCIP)」によるオンライン提出がスタンダードです。GビズIDの管理を含め、デジタルでの実績管理が求められています。
提出が必要な主な書類
- 事業年度終了報告書(表紙)
- 工事経歴書: その年度に施工した主な工事(注文者、工期、金額など)を業種ごとに記載。
- 直前3年の各年度内施工金額: 過去3年間の売上推移。
- 財務諸表: 建設業簿記に基づき、一般的な決算書を「建設業用」に書き換えた貸借対照表・損益計算書など。
- 事業報告書: (株式会社の場合)
- 納税証明書: 事業税の納税証明書(領収書では不可)。
【プロの警告】これを怠るとどうなる? 1年でもこの報告を忘れていると、5年後の「更新申請」が一切受理されません。 更新直前に慌てて5年分まとめて出そうとしても、書類の整合性が取れず、最悪の場合は許可失効に繋がります。
2. 会社の「変化」を逃さず届出!変更届のルール
許可の内容に変更があった場合、定められた期間内(2週間または30日以内)に届出を行う必要があります。2026年現在、特に「社会保険の加入状況」や「技術者の常勤性」のチェックが非常に厳しくなっています。
変更があった場合の届出期限と内容
【期限:2週間以内】(ヒトに関する重要な変更)
- 経営管理態勢(旧:経管)の変更: 役員の交代や退職。
- 専任技術者の変更: 技術者の退職、入社、資格取得。
- 令3条の使用人の変更: 支店長などの交代。
【期限:30日以内】(会社組織に関する変更)
- 商号・名称の変更
- 営業所の所在地・電話番号等の変更
- 資本金額の変更(増資・減資)
- 役員の新任・退任・氏名変更
- 健康保険等の加入状況の変更: (例:人数増による適用拡大など)
- 定款の変更
【ここが落とし穴!】 専任技術者が退職したのに届出を出さず、後日バレた場合、「虚偽記載」や「欠格要件」とみなされ、許可の取消し対象になることがあります。「辞めたらすぐ届ける」が鉄則です。
3. 事業を閉じる時の「ケジメ」!廃業届の提出
許可が不要になった、あるいは事業を継続できなくなった場合は、30日以内に「廃業届」を提出しなければなりません。
廃業届が必要な主なケース
- 個人事業主が死亡したとき: 相続人が届け出ます。
- 法人が合併により消滅したとき: 消滅した側の法人が届け出ます。
- 法人が破産・解散したとき
- 許可を受けた業種を一部、または全部廃止したとき
【2020年改正】「相続・事業承継」の新ルール
以前は、社長が亡くなったり法人化(法人成り)したりすると、一度「廃業届」を出して許可を失うしかありませんでした。しかし現在は、事前に「認可」を受けることで、許可番号をそのまま引き継げる「承継制度」が整っています。 「廃業」する前に、まずは「引き継げないか」を専門家に相談することを強くお勧めします。
4. 許可を「死守」するための年間スケジュール
建設業許可を5年後の更新まで無事に完走させるためには、以下のサイクルを回す必要があります。
- 毎月: 専任技術者・役員の変動がないか確認(2週間ルール対策)。
- 毎年: 決算終了後、すぐに「事業年度終了報告」を準備(4ヶ月ルール対策)。
- 5年ごと: 許可満了日の3ヶ月前から更新準備を開始。
5. 行政書士に「管理」を任せる3つのメリット
「書類くらい自分でできる」と思われるかもしれませんが、建設業許可の管理は、想像以上に専門知識と事務作業を要します。
① 期限切れ・出し忘れの防止
プロが管理することで、「うっかり更新を忘れて許可を失う」という、会社にとって最大のリスクをゼロにします。
② 建設業簿記への正確な読み替え
税理士が作る決算書を、そのまま県庁へ出しても通りません。建設業独自の科目(完成工事高、未成工事支出金など)への正確な仕分けをプロが行います。
③ 経営事項審査(経審)へのスムーズな連携
将来、公共工事への参入を考えている場合、毎年の決算報告の内容が、そのまま「点数」に直結します。将来を見据えた、戦略的な報告が可能です。
まとめ:許可は「看板」であり「資産」です
建設業許可は、一度取得すれば半永久的に使えるものではありません。毎年の義務を積み重ねて初めて、5年ごとに「継続」が認められる、いわば「信頼の更新制」です。
- 毎年の決算報告を出す
- 変更があれば即座に届け出る
- 5年後の更新を常に意識する
この当たり前の管理を徹底することが、2026年以降の建設業界で勝ち残るための、もっとも確実な方法です。
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