建設業界に激震が走った2016年(平成28年)の法改正から約10年。かつて「とび・土工工事業」の一部だった解体工事が独立した業種となって久しいですが、いまだに「うちは昔からの許可があるから大丈夫」という勘違いや、新しく始まった厳しい規制を知らずに現場を動かしているケースが見受けられます。
2026年現在、解体工事は「ただ壊すだけ」の仕事から、「環境と法令を守りながら資源を循環させる」高度な専門職へと変貌を遂げました。今回は、解体業を営む上で絶対に避けて通れない許可・登録の仕組みと、最新の注意点をプロの視点でリライト解説します。
1. 【歴史の整理】なぜ解体工事は独立したのか?

以前の記事でも触れていましたが、平成28年6月1日に「解体工事業」が新設されました。これには明確な理由があります。
- 老朽化建物の急増: 高度経済成長期に建てられた建物の解体ラッシュ。
- 事故の防止: 解体特有の事故を防ぐための専門知識の必要性。
- 環境保護: アスベスト(石綿)や廃棄物の適正な分別。
かつて設けられていた「とび・土工の許可があれば解体もできる」という経過措置は、2019年(令和元年)5月31日をもって完全に終了しています。つまり、2026年現在は、解体工事の許可(または登録)を持っていない業者が施工することは、明確な法律違反となります。
2. 500万円の壁:「建設業許可」と「解体工事業登録」の違い
解体工事を請け負うために必要な免許は、工事の金額によって2種類に分かれます。
① 解体工事業登録(500万円未満)
1件の請負代金が500万円未満(税込)の「軽微な工事」のみを行う場合に必要な登録です。
- 管轄: 施工を行う各都道府県(例:埼玉と東京で工事をするなら、両方の知事登録が必要)。
- 有効期限: 5年間。
- 特徴: 建設業許可よりも要件が緩やかですが、現場ごとに登録が必要なため、エリアをまたぐ業者には手間がかかります。
② 建設業許可:解体工事業(500万円以上)
1件の請負代金が500万円以上(税込)の工事を1件でも行う場合に必須となる許可です。
- 管轄: 本店がある場所の知事(または大臣)。これ一つで日本全国の現場で施工可能です。
- 有効期限: 5年間。
- 特徴: 500万円以上の純資産や、5年以上の経営経験、国家資格などの厳しい要件があります。
3. 【2026年の最重要課題】アスベスト(石綿)事前調査報告の義務化

2019年当時の記事にはなかった、現在もっとも重要な実務がアスベスト対策です。2022年、2023年と段階的に強化された法改正により、解体現場のルールは激変しました。
全棟事前調査と電子報告の義務
現在は、建築物の規模や築年数にかかわらず、すべての解体・リフォーム工事において事前調査が必須です。 さらに、以下の規模の工事では「石綿飛散防止電子報告システム」による国への報告が義務付けられています。
- 解体工事:床面積の合計が80㎡以上
- リフォーム工事:請負金額が100万円(税込)以上
【プロの警告】 この報告を行う際、事業者の「建設業許可番号」または「解体工事業登録番号」の入力が求められます。つまり、無許可・無登録の業者は報告すらできず、適正な工事が不可能な仕組みになっています。
4. 専任技術者・技術管理者の「資格」ルート
解体業の許可や登録を取る際、もっともハードルが高いのが「技術者」の確保です。
最強の資格「解体工事施工技士」
2026年現在、解体業においてもっともコストパフォーマンスが高い資格は「解体工事施工技士」です。
- 許可の場合: 1級・2級土木施工管理技士(種別:薬液注入以外)や、解体工事施工技士があれば、10年の実務経験証明なしで専任技術者になれます。
- 登録の場合: 資格があれば「技術管理者」として一発で認められます。
「10年の実務経験」を証明するには、過去120ヶ月分の注文書や契約書を揃える必要があり、埼玉県庁などの審査は非常に厳格です。資格取得は、許可を確実に、かつスピーディーに取得するための最強の戦略です。
5. 解体業者が「産廃収集運搬許可」をセットで持つべき理由
解体工事をすれば、必ず「ガラ(コンクリート塊)」「木くず」「プラスチック」などの廃棄物が出ます。
- 排出事業者は元請け: 法律上、現場のゴミの持ち主は元請業者です。
- 運搬には許可が必要: 現場から処分場までゴミを運ぶには、たとえ自社のトラックであっても「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
解体工事業登録(または許可)と産廃許可は、いわば車の両輪です。当事務所でも、90%以上の解体業者様がこの2つをセットで申請されています。
6. まとめ:2026年の解体業は「信頼」が売上を作る
「昔のように、安く早く壊せばいい」という時代は終わりました。 今は、元請けや施主から「アスベストの報告は適正か?」「建設業許可は持っているか?」「産廃のルートは白か?」と厳しく問われる時代です。
建設業許可や解体登録を持つことは、単なる義務の遂行ではなく、「うちは法律を守る、信頼できる会社です」という最強の営業ツールになります。
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