前回のブログでは、解体工事施工技士に関してご説明いたしました。今回はその具体的な試験に関しての解説になります。
令和4年度 (第30回)解体工事施工技士試験に関する情報
に基づいて、記載しております。
行政書士が解説!解体工事施工技士が持つ「建設業許可」への戦略的価値
解体工事を専門とする事業主様にとって、解体工事施工技士の資格は、単なる知識の証明以上の、事業の信用力と収益力を高めるための重要な戦略ツールです。
この資格を取得することの最大のメリットは、以下の2つの点で建設業許可申請を圧倒的に有利に進められる点にあります。
1. 「解体工事業登録」の技術管理者要件を完全にクリア
500万円未満の解体工事に必要な「解体工事業登録」を申請する際、この資格を持っていれば、技術管理者の要件を実務経験証明書なしで簡単に満たすことができます。この資格がない場合、長年の実務経験証明や特定の講習の受講が必要になり、手続きが煩雑になりがちです。
2. 「建設業許可(解体工事業)」の専任技術者要件の一部をクリア
さらに、500万円以上の解体工事を請け負うために必要な「建設業許可(解体工事業)」を申請する際にも、解体工事施工技士は強力な武器となります。特に、実務経験と組み合わせることで、専任技術者の要件を満たすことが可能です。
解体工事業の専任技術者は、以下のいずれかの資格で要件を満たしますが、実務経験と資格を組み合わせるパターンにおいて、この技士資格は非常に有効です。
- 1級土木・建築施工管理技士、技術士(登録後、すぐに専任技術者になれる)
- 2級土木・建築施工管理技士(合格後、1年以上の実務経験が必要)
- 解体工事施工技士(資格取得後、1年以上の実務経験が必要)
資格を取得し、すぐに建設業許可を取得する計画を立てることで、事業のスピードアップと、競合他社との差別化を実現できます。
解体工事施工技の受験資格
解体工事の実務経験が一定年数以上必要です。
※解体工事の実務経験が8年未満の方⇒卒業証明書が必要(受験資格:イ・ロ・ハ)
※解体工事の実務経験が8年以上の方⇒卒業証明書は不要(受験資格:ニ)
| 学歴 | 必要な解体工事の実務経験年数 指定学科を卒業した者 | 必要な解体工事の実務経験年数 指定学科以外を卒業した者 |
|---|---|---|
| イ:大学 専門学校(4年制)「高度専門士」 | 卒業後1年6ヶ月以上 | 卒業後2年6ヶ月以上 |
| ロ:短期大学 高等専門学校(5年制) 専門学校(2年制又は3年制)「専門士」 | 卒業後2年6ヶ月以上 | 卒業後3年6ヶ月以上 |
| ハ:高等学校 中等教育学校(中高一貫6年) 専門学校(1年制) | 卒業後3年6ヶ月以上 | 卒業後5年6ヶ月以上 |
| ニ:その他 | 8年以上 | 8年以上 |
※ 高等学校の指定学科以外を卒業した者には、高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)
による試験、旧大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による検定試験に合格した者を含む。
注意:
①「指定学科」は国土交通省令(施工技術検定規則〈土木施工管理・建築施工管理〉)に規定する学科です。 ②「実務経験」は解体工事に関するものに限ります。
③「実務経験年数」は令和4年11月30日現在で計算してください。
令和4年度 (第30回)解体工事施工技士試験
申し込みは9月からになります。
申込受付
令和4年9月1日(木)~11月4日(金) <消印有効>
試験実施日
令和4年12月4日(日) 12:20-16:30 (入室時間:12:00)
合格発表
令和5年2月10日(金)(受験申込者全員に結果通知書を送付及び合格者の受験番号を本ホームページに掲載)
会場
北海道 北海道自治労会館
〒060-0806 札幌市北区北6条西7-5-3
宮城 TKPガーデンシティ仙台(AER)
〒980-6130 仙台市青葉区中央1-3-1 AER(アエル)21
東京 フォーラムエイト
〒150-0043 渋谷区道玄坂2-10-7
新潟 朱鷺メッセ
〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島6-1
静岡 えんてつホール
〒430-8588 静岡県浜松市中区旭町12-1 遠鉄百貨店新館8階
愛知 TKP名古屋駅前カンファレンスセンター
〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅2-41-5
大阪 新梅田研修センター
〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島6-22-20
広島 RCC文化センター
〒730-0015 広島県広島市中区橋本町5-11
徳島 徳島県建設センター
〒770-0931 徳島市富田浜2-10
福岡 九州ビル
〒812-0016 福岡市博多区博多駅南1-8-31
解体工事施工技士試験試験は狭き門?
合格率は約56%になります。狭いと言えば狭いですが、きちんと事前対策をしていれば取得可能な資格になります。
また、取得後のスキルアップには大きな影響がありますので、是非チャレンジしてみましょう。
受験対策により
・建設業法・建設リサイクル法について
・解体工事で出る資源の取り扱いについて
・労働安全衛生法について(労働災害の防止法や労働災害がおきたときの対処法など)
・石綿障害予防規則、大気汚染防止法、騒音・振動規制法について
・廃棄物の基礎知識について
・建設廃棄物、有害物の処理について
・土木建築の基礎知識について
・解体工事の計画と管理について(事前調査、積算・見積・契約、届出、許可申請、施工計画、施工管理など)
・解体工法・解体用機器について
・解体作業について(仮設工事、各建物構造の解体作業の手順など)
こんな知識が身につきますので、損は全くありません。
解体工事施工技士試験試験の内容の解説
試験時間は3時間30分。
4択の正誤問題と、記述式問題になります。
範囲としては
・土木、建築の基礎知識
・解体工事施工の計画
・解体工事施工管理
・解体工法
・解体用機器
・安全管理
・環境保全
・副産物・廃棄物対策
・関連する法律・規則 など
設問数・試験時間や合格基準は
・四肢択一式(50問)90分 / 100点中50点以上
・記述式(5問)120分 / 100点中50点以上
なおかつ全部で110点以上とれば合格基準に達する
まずは、過去問題をしっかり学ぼう!
過去問題は、こちらから、ご覧ください
https://www.zenkaikouren.or.jp/engineer/test-results/


