埼玉県内で「1件500万円以上の工事を受注したい」「元請けから許可を取るよう強く言われている」という経営者の皆様、お待たせしました。
2020年の法改正から数年が経ち、建設業許可のハードルは「緩和された部分」と「より厳格になった部分」がはっきりと分かれています。2026年現在、埼玉県庁での審査は、電子申請(JCIP)の普及に伴い、より「エビデンス(証拠資料)」の整合性が厳しく問われるようになっています。
今回は、埼玉県で建設業許可を「一発で」取得するために必要な5つの要件と、2026年現在の実務上の落とし穴を徹底解説します。
建設業許可取得に必要な「5つの柱」+α

埼玉県で知事許可(埼玉県内だけに営業所がある場合)を取得するには、以下の5つの要件をすべてクリアしなければなりません。
- 経営管理態勢(旧:経営業務管理責任者)の構築
- 専任技術者の配置(全営業所)
- 誠実性の保有
- 財産的基礎(資金力)の証明
- 欠格要件への非該当
さらに、2026年現在では「適切な社会保険への加入」が実質的な「第6の要件」として、未加入業者を完全にシャットアウトしています。
1. 経営管理態勢(旧:経営業務管理責任者)の要件
2020年10月の法改正で最も大きく変わったのがここです。「経管(けいかん)」という呼び名は残っていますが、現在は「経営管理態勢」という広い概念で審査されます。
【改正後】現在の主な要件
以前は「同じ業種なら5年、他業種なら6年」というルールでしたが、現在は「建設業であればどの業種でも5年以上の経営経験」があれば認められるようになりました。
- 役員としての経験: 株式会社の取締役、合同会社の業務執行社員など。
- 個人事業主としての経験: 確定申告書(B表)で5年以上の実績が証明できること。
経営を「補佐」する人の経験も活用可能に
もし、社長自身の経営経験が5年に満たない場合でも、以下の体制が整っていれば許可が下りる可能性があります。
- 社長に2年以上の経営経験がある。
- さらに、財務・労務・業務執行の各分野で5年以上の補助経験を持つスタッフが脇を固めている。
【プロの視点:埼玉県の審査】
埼玉県では、経営経験を証明するための「裏付け資料」として、5年分の「注文書・請負契約書」または「請求書+通帳」の原本確認が非常に厳格です。特に個人事業主から法人化した(法人成り)直後の場合、前身の個人時代の資料が1ヶ月分でも欠けていると、その期間はノーカウントとされるリスクがあります。
2. 専任技術者(専技)の要件
各営業所に、その業種のプロフェッショナルである「専任技術者(せんぎ)」を常勤させなければなりません。
専任技術者になれる人の条件
一般建設業許可の場合、以下のいずれかに該当する人が必要です。
- 国家資格保持者: 1級・2級の施工管理技士、建築士、技術士など。(※もっとも確実でスムーズなルートです)
- 指定学科卒業 + 実務経験: 大学なら3年以上、高校なら5年以上の実務経験。
- 10年以上の実務経験: 資格も学歴も問わないが、過去10年間の工事実績を1ヶ月単位で証明する必要がある。
注意!「専任性」と「常勤性」
専任技術者は、その営業所に「ベタ貼り」でなければなりません。
- 他の会社の技術者と兼ねることは不可。
- 宅建業の専任取引士や、建築士事務所の管理建築士など、他の「専任」を要する資格との兼務は、同一法人・同一場所でない限り認められません。
- 通勤不可能な場所に住んでいる場合、埼玉県庁から「本当に毎日通っているのか?」と疑われ、追加資料(高速道路の利用履歴や住民票の異動など)を求められることがあります。
3. 請負契約に関する「誠実性」
これは「当たり前のことを当たり前にやる」という要件です。
法人であればその役員、個人であれば事業主本人が、詐欺や脅迫、横領などの不正行為、または請負契約に違反するような不誠実な行為をする恐れがないことを指します。
過去に建設業法で営業停止処分を受けていたり、暴力団関係者との繋がりがあったりする場合は、この時点でアウトとなります。
4. 財産的基礎(資金力)の証明
「お金がない会社に大きな工事は任せられない」という考え方です。
一般建設業の場合(いずれかを満たす)
- 自己資本(純資産合計)が500万円以上: 直近の決算書の貸借対照表(B/S)で判断。
- 500万円以上の資金調達能力: 銀行発行の「残高証明書」(発行から1ヶ月以内のもの)で証明。
- 5年間継続して許可を受けていた実績: 更新申請の場合。
特定建設業の場合(すべてを満たす必要あり)
特定建設業(下請けに多額の発注を出す業者)は、非常に厳しい財務チェックが入ります。
- 欠損比率: $\frac{\text{累積赤字}}{\text{資本金}} \leqq 20\%$
- 流動比率: $\frac{\text{流動資産}}{\text{流動負債}} \geqq 75\%$
- 資本金: 2,000万円以上
- 自己資本(純資産): 4,000万円以上
5. 欠格要件への非該当
以下の「ブラックリスト」に載っていないことが条件です。
- 破産者で復権を得ていない。
- 禁錮以上の刑に処せられ、刑期終了から5年経っていない。
- 建設業法や暴対法等で罰金刑を受け、5年経っていない。
- 暴力団員である、または暴力団員でなくなってから5年経っていない。
【2026年アップデート】
2019年の法改正により、「成年被後見人・被保佐人」であっても、個別審査の結果、能力があると認められれば許可が取れるようになりました(以前は一律排除されていました)。
2026年の新常識:社会保険への加入は「絶対」

2020年の改正で、「適切な社会保険(健康・厚生・雇用)への加入」が許可の前提条件となりました。
- 法人は役員1名から強制加入。
- 個人事業主は従業員5名以上から強制加入。
埼玉県庁の審査では、申請書に保険料の領収書や「標準報酬月額決定通知書」の写しを添付します。未加入の場合、窓口で申請自体を受理してもらえません。 「許可を取ってから入る」という言い訳は通用しない時代です。
埼玉県での申請「最短ルート」のコツ
埼玉県で許可を取るなら、埼玉県庁 第2庁舎 3階 建設管理課分室へ行くことになります。
1. 電子申請(JCIP)をフル活用する
2026年現在、埼玉県は電子申請(JCIP)を推奨しています。
- メリット: 窓口での長い待ち時間がない。書類のバックヤード連携(法務局等)で添付書類を減らせる。
- 準備: 「GビズID(gBizIDプライム)」の取得に1〜2週間かかるため、まずはID取得から始めるのがプロの段取りです。
2. 「原本確認」の準備を完璧にする
埼玉県は、注文書や通帳の「原本」を1ページずつ丁寧にめくって確認します。
- 「通帳のこの入金はどの請求書のものか?」
- 「この期間、工事がないように見えるが何をやっていたのか?」こうした質問に即答できるよう、インデックス(見出し)を付けたファイル整理が許可までの日数を左右します。
専任技術者の「10年実務経験」を証明するための必要書類リスト(埼玉県版)
資格を持たずに「10年の実務経験」で許可を取る場合、埼玉県庁では「120ヶ月(10年間)途切れることなく建設業に従事していたこと」を証明する膨大なエビデンスが求められます。
埼玉県の審査は全国でもトップクラスに「原本確認」が厳しいため、以下の3つの柱で書類を揃えるのが鉄則です。
【柱①】その会社に在籍していたことの証明
「10年前から今日まで、本当にその会社で働いていましたか?」を証明します。
- 健康保険・厚生年金被保険者記録照会回答票(日本年金機構で発行)
- ※これが最強の証明書です。10年分の年金加入記録で「いつ、どの会社にいたか」が一目で分かります。
- 雇用保険被保険者離職票(過去の分がある場合)
- 源泉徴収票(過去10年分あれば強力)
【柱②】実際に「その工事」を行っていたことの証明
「10年間、ただ会社にいただけではなく、許可を取りたい業種の工事をやっていましたか?」を証明します。
- 工事請負契約書(原本)
- 注文書 + 請書(原本)
- 請求書 + 入金通帳(原本)
- ※埼玉県では、1年に1件だけではなく、「通年(毎月、または各季節)」で工事を行っていたことを示すために、1年につき複数件(3〜4件以上)の提示を求められることが一般的です。
- ※10年分だと、合計で40枚〜50枚以上の請求書と通帳の突き合わせが必要になります。
【柱③】過去の会社が「建設業」を営んでいたことの証明(他社経験の場合)
今の会社での経験が10年に満たず、以前いた会社での経験を合算する場合に必要です。
- 以前の会社の建設業許可証の写し
- 以前の会社の決算変更届(表紙)の控え
経営業務管理責任者(経管)になれるか?簡易診断チェックシート
2020年の法改正により、以前よりも格段にハードルが下がりました。「昔はダメだったけど、今なら通る」というケースが激増しています。以下の質問に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
【Q1】あなたの役職は?
- □ 株式会社の取締役である(または、あった)
- □ 個人事業主として確定申告をしている(または、していた)
- □ 合同会社の業務執行社員である(または、あった)
- □ 建設業の経営を5年以上「補助」した経験がある(※特殊要件)
【Q2】期間は通算で5年以上ありますか?
- □ はい
- ※以前は「同じ業種」が必要でしたが、現在は「建設業であればどの業種でも」通算5年の経営経験があればOKです!
【Q3】その期間、実際に「建設業」を営んでいましたか?
- □ はい
- ※「登記簿に取締役と載っているだけ」ではダメです。その5年間に、実際に工事の注文を受け、売上があったことを証明する書類(確定申告書や請求書)が揃うかどうかがポイントです。
【Q4】現在の会社で「常勤」していますか?
- □ はい
- ※他社の役員と兼任していたり、あまりに遠方に住んでいたりすると「常勤性」を疑われます。
💡 診断結果のアドバイス
- すべて「はい」の方: 許可取得の可能性が極めて高いです!すぐに書類作成に入りましょう。
- 期間が少し足りない方: 前職の経験や、他の役員の経験を合算できないか検討します。諦めるのは早いです。
- 書類が揃わない方: 埼玉県の場合、通帳を紛失していても「確定申告書の控え」や「当時の契約書原本」があれば、代替案を県庁と交渉できる場合があります。
まとめ
埼玉県で建設業許可を取得するには、とにかく①から⑤の要件(+社会保険)を全て満たしている必要があります。
- 経営管理: 社長に5年の経験があるか?
- 専任技術者: 資格者、または10年の経験を証明できるか?
- 誠実性: クリーンな経営をしているか?
- 財産的基礎: 口座に500万円あるか?(またはB/Sが健全か?)
- 欠格要件: 過去に重い犯罪歴がないか?
これらを自力で証明するのは、本業が忙しい経営者様にとって、数ヶ月分の労力に相当します。特に埼玉県独自の「ローカルルール」や「原本確認のクセ」は、経験がモノを言います。
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