建設業界で独立し、事業を拡大していく中で必ず突き当たるのが「1件の請負代金が500万円」という数字です。

「500万円未満の工事(軽微な建設工事)なら、許可がなくても大丈夫」 これは法律(建設業法)に定められた事実ですが、実はこの「500万円」の数え方を間違えてしまい、知らず知らずのうちに無許可営業(法律違反)に陥っているケースが後を絶ちません。

2026年現在、コンプライアンス(法令遵守)への要求はかつてないほど厳しくなっています。今回は、許可が必要な工事の額について、行政書士が「実務でよくある落とし穴」を交えて詳しく解説します。

1. 建設業許可が不要な「軽微な建設工事」の定義

原則として、建設業を営むには「国土交通大臣」または「都道府県知事」の許可が必要です。ただし、例外として以下の「軽微な工事」のみを行う場合は、許可がなくても営業できます。

① 一般的な工事(27業種)の場合

1件の請負代金が 500万円未満 の工事 (例:塗装工事、内装仕上工事、電気工事、解体工事など)

② 建築一式工事の場合

以下のいずれかに該当すれば、許可がなくても施工可能です。

  • 1件の請負代金が 1,500万円未満 の工事
  • 延べ面積が 150㎡未満 の木造住宅工事(※主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上が居住用であるもの)

【注意】「建築一式」の勘違いに気をつけて! 500万円を超えたからといって、何でも「建築一式」の許可があればいいわけではありません。建築一式とは「総合的な企画・指導・調整」を伴う大規模な工事(住宅の新築など)を指します。 例えば、「600万円の塗装工事」を行う場合は、塗装工事業の許可が必要であり、建築一式の許可を持っていても(塗装の許可がなければ)施工できません。

2. 【最重要】500万円の計算における「3つの落とし穴」

500万円の計算における「3つの落とし穴」

多くの経営者様が「大丈夫だろう」と思っていて、実は法律違反になってしまうケースが以下の3点です。

落とし穴1:消費税は「込み」で計算する

2019年当時から変わらないルールですが、改めて強調します。500万円は「消費税込み」の金額です。

  • 例: 本体価格 460万円 + 消費税(10%)46万円 = 合計 506万円 この場合、本体が500万円を切っていても、建設業許可が必要になります。

落とし穴2:「材料代」を含めて計算する(無償支給材)

元請業者や施主から材料(エアコン本体、照明器具、キッチン設備など)を無償で提供してもらった場合でも、その材料の市場価格と運送費を請負金額に加算しなければなりません。

  • 例: 工賃(手間受け)300万円 + 無償提供されたキッチン設備 250万円 = 合計 550万円 これも建設業許可が必要です。「手間代だけなら300万円だから許可はいらない」という理屈は通りません。

落とし穴3:工事の「分割発注」は合算される

「500万円を超えそうだから、工期を分けて250万円の契約を2回結ぼう」……これは「分割契約」として法律で固く禁じられています。

正当な理由(追加工事など)がない限り、同じ現場で連続して行う工事は、契約書が分かれていても「1つの工事」として合算されます。悪質な分割とみなされると、営業停止や許可取り消しという重い処分が待っています。

3. 2026年、なぜ「500万円未満」でも許可を取るべきなのか?

2019年当時は「500万円を超えないから、まだ取らなくていい」という判断もありました。しかし、2026年現在の建設業界では、「500万円未満でも、許可がないと仕事が来ない」という逆転現象が起きています。

元請業者のコンプライアンスが激変

現在、大手ハウスメーカーやゼネコンは、下請業者を選定する際に「建設業許可の有無」を必須条件にしています。

  • 「100万円の工事でも、許可がない業者とは契約しない」
  • 「許可がないと、現場に入るためのセキュリティカードが発行されない」 このような現場が、埼玉県内でも一般化しています。

融資やビジネスチャンスの拡大

  • 銀行融資: 許可を持っていることは「5年以上の経営実績がある」という公的な証明になります。
  • ビジネスの拡大: 「500万円以上の案件」が舞い込んだときに許可がないと、せっかくのチャンスを逃すことになります。許可が下りるまでには最短でも1〜2ヶ月かかるため、「チャンスが来てから取る」のでは遅すぎるのです。

4. 一般建設業許可と特定建設業許可の違い(再確認)

請負金額に関連して、元請業者様が注意すべきなのが「特定建設業許可」です。

※下請けとして工事に入る場合は、請負金額がいくらであっても(例:1億円の工事を1社で受ける場合など)、特定許可は不要です。

5. まとめ:1件の工事額には「日頃から」最大の注意を!

「うちの工事はいつも400万円台だから大丈夫」 その考えは、非常に危険です。消費税の変動、材料費の高騰、そして無償支給材の計算……。少しの計算違いで、貴社の大切な事業が「無許可営業」という奈落の底に落ちてしまうかもしれません。

建設業許可は、単なる「500万円以上の工事をするためのチケット」ではありません。2026年現在、それは「信頼の証明書」です。

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