建設業許可を取得する際、もっとも経営者様を悩ませるのが「自社の工事はどの業種に該当するのか?」という判断です。2019年当時に比べ、現在は元請業者からのコンプライアンス要求がさらに厳しくなり、「正しい業種での許可」を持っていないと、現場に入れてもらえないケースも増えています。
今回は、全29業種の中から、リフォームやメンテナンス工事で特に関わりが深い「しゅんせつ」「板金」「ガラス」「塗装」「防水」「内装仕上」の6業種を深掘りして解説します。
⑭ しゅんせつ工事業

「河川、港湾等の水底をしゅんせつ(浚渫)する工事」を指します。
具体的な工事例
- 浚渫工事(港湾、河川、運河、湖沼など)
【プロの視点】 土木一式工事と混同されがちですが、水底の土砂を取り除く専門性の高い工事は「しゅんせつ」に分類されます。大型の浚渫船を使用する場合などが典型です。公共工事の入札(経審)を検討されている場合、この専門業種の点数を持っていることは大きな強みになります。
⑮ 板金工事業

「金属薄板等を加工して工作物に取り付け、又は工作物に金属製等の付属物を取り付ける工事」を指します。
具体的な工事例
- 板金加工取り付け工事
- 建築板金工事
- ダクト板金工事(※空調設備と重なる場合あり)
- 外壁への金属サイディング貼り付け
【注意点】「屋根」との境界線 非常に多い相談が、「金属屋根(ガルバリウム等)の工事は、板金か?屋根か?」というものです。 基本的に、屋根として仕上げる場合は「屋根工事業」の許可が優先されます。一方、雨樋(あまどい)の取り付けや、建物の「水切り」などの細かい板金加工がメインであれば「板金工事業」となります。埼玉県などの審査では、工事の主目的が何かを厳しく問われます。
⑯ ガラス工事業

「工作物にガラスを加工して取り付ける工事」を指します。
具体的な工事例
- ガラス加工取り付け工事
- 鏡取り付け工事
- ガラスフィルム貼り付け工事
【2026年のトレンド】 近年、省エネ対策としての「遮熱フィルム」や、防犯・防災用の「飛散防止フィルム」の需要が急増しています。これらフィルム貼り付け工事を専門に行う業者様も、500万円以上の案件を請け負うなら「ガラス工事業」の許可が必要です。内装の一部として扱われがちですが、ガラス面への施工は本業種となります。
⑰ 塗装工事業
「塗料、塗材等を工作物に吹き付け、塗り付け、又は貼り付ける工事」を指します。
具体的な工事例
- 塗装工事
- 溶射工事(金属の防食など)
- ライニング工事(管の内側などのコーティング)
- 路面標示工事(道路のライン引き)
【間違いやすいポイント!】 道路のライン引き(白線や文字)は、「舗装工事業」ではなく「塗装工事業」に分類されます。ここを間違えて舗装の許可だけでライン引きの大きな案件を受けようとすると、建設業法違反になるリスクがあります。
⑱ 防水工事業
「アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事」を指します。
具体的な工事例
- アスファルト防水工事
- シート防水工事
- シーリング工事(コーキング打ち替え)
- 注入防水工事
【プロの視点】「塗装」との違い 屋上の防水など、液状の防水材を塗る工事(ウレタン防水など)は、見た目が「塗り」のため塗装と間違われやすいですが、目的が「防水」であれば「防水工事業」です。 また、外壁のひび割れへのシーリング打ち替えのみを専門に行う場合も、この防水工事業の許可が必要になります。
⑲ 内装仕上工事業
「木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事」を指します。
具体的な工事例
- インテリア工事、天井仕上げ工事
- 壁紙(クロス)張り工事
- 床仕上げ工事(タイル、カーペット等)
- 畳工事、ふすま工事
- 家具工事(造作家具の取り付け)
【注意点】 置き家具の設置は建設工事になりませんが、壁に固定する「造作家具(カップボード等)」の取り付けは内装仕上工事に該当します。また、防音スタジオなどの「吸音ボード」の設置もこの業種です。
2026年、実務経験を証明する際の「落とし穴」
2026年現在、埼玉県庁や東京都庁の審査では、「請求書の品名」が非常に厳しくチェックされます。
- ダメな例: 「リフォーム工事一式」「改修工事」
- 良い例: 「外壁塗装工事(ウレタン塗装)」「屋上防水工事(シート防水)」
特に「10年の実務経験」で許可を取る場合、10年前の請求書に具体的な工法が書いていないと、その期間の経験が否定されてしまうことがあります。今から許可を目指す方は、日々の請求書や注文書の記載を「許可業種を意識した名称」に整えておくことが、将来の許可取得への一番の近道です。
まとめ:あなたのメイン業種は見つかりましたか?
今回ご紹介した6業種は、特にメンテナンスやリニューアル工事において重複することが多いものです。 「塗装と防水、どっちをメインにするべき?」 「内装工事の中で、板金やガラスもやるんだけど……」 そんな疑問を持たれたら、それは「業種追加」や「附帯工事」の判断が必要なサインです。
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当事務所では、埼玉県・東京都を中心に、数多くの業種判断をサポートしてきました。特に判断が分かれやすい「境界線の工事」について、行政庁の最新の判断基準に基づきアドバイスいたします。
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