解体工事業登録は、建設業許可を持たない事業者が解体工事を行うために必要な登録制度です。

以前は一定の金額に満たない解体工事には許可や登録が不要でしたが、不法投棄やその他の問題が発生したため、建設リサイクル法に基づいて解体工事業登録が導入されました。

登録は誰が行うの?

解体工事業登録は、都道府県知事によって行われます。従来は請負金額が500万円以上の解体工事や解体工事を含む建設工事には建設業許可が必要でしたが、平成13年5月30日以降は500万円未満の解体工事にも解体工事業登録が必要となりました。解体工事を他の業者に下請けする場合でも、元請業者も下請業者も解体工事業登録が必要です。

解体工事業登録と建設業許可の違いは?

土木工事業、建築工事業、とび・土工工事業に係る建設業許可を有する事業者は解体工事業登録が不要である点です。
また、平成26年の建設業法改正により、解体工事業の建設業許可も新たに導入されました。これらの建設業許可を有する事業者は、500万円以上の解体工事を行うことができますが、500万円未満の解体工事を行う場合には解体工事業登録が必要です。

要するに、解体工事業登録は建設業許可を持たない事業者が解体工事を行うための登録制度であり、一定の金額に満たない解体工事にも適用されます。解体工事業登録を受けるためには、都道府県知事への申請手続きが必要であり、建設業許可を持つ事業者や特定の建設業許可を有する事業者は解体工事業登録が不要です。適切な手続きと要件を満たすことにより、解体工事を適法に行うことができます。

【最重要】「解体工事業の許可」と「登録」の決定的な違いと500万円の壁

建設業者にとって最も混乱しやすい点が、「解体工事業登録」と「解体工事業の建設業許可」の違いです。この2つは全く異なる制度であり、どちらを取得すべきかの判断は極めて重要です。

まず、建設業許可(解体工事業、土木工事業、建築工事業、とび・土工工事業のいずれか)を取得していれば、請負金額にかかわらず(500万円未満の軽微な工事であっても)、解体工事業登録は一切不要です。建設業許可を持つ業者は、登録制度の対象外となります。

特に、2016年の法改正により新設された「解体工事業の建設業許可」を取得すれば、500万円以上の解体工事はもちろん、それ以下の工事も制約なく請け負うことが可能となり、解体工事業登録の義務は完全に消滅します。

逆に、建設業許可を持たない業者が、500万円未満の解体工事を請け負う場合にのみ、解体工事業登録が必要となります。

したがって、事業拡大や元請けとしての信用力強化を目指す場合は、煩雑な都道府県ごとの登録が必要な解体工事業登録をゴールとするのではなく、初めから解体工事業の建設業許可の取得を目指すことが、最も効率的かつ将来を見据えた戦略となります。

解体工事業登録を行うためには、以下の要件を満たす必要があります。

1,不適格要件に該当しないこと: 解体工事業登録申請書や添付書類に虚偽の記載がなく、重要な記載事項が適切に記載されていることが求められます。また、以下の条件に該当しないことも必要です。
・適正な事業運営が期待できない場合
・過去2年以内に解体工事業の登録を取り消された場合
・解体工事業の業務停止命令を受け、停止期間を経過していない場合
・建設リサイクル法に違反し、罰金以上の罰を受けており、その刑の執行が終わってから2年経過していない場合

2,技術管理者の選任: 解体工事を指導・監督する技術管理者を選任していることが必要です。
技術管理者は一定の技能や資格を有している必要があります。例えば、1級・2級建築士や建設部門の技術士の資格を持つ人や、特定の学科を修了した人が要件を満たします。技術管理者の実務経験や講習の受講に関する要件もあります。

解体工事業登録の手続き方法は、解体工事を行う都道府県知事に対して申請を行います。建設業許可を取得する場合とは異なり、解体工事業登録は解体工事を行う場所によって許可を受ける知事が異なるため、注意が必要です。解体工事業登録の有効期間は5年であり、5年を超える場合は更新手続きが必要です。

解体工事業登録に必要な書類は?

解体工事業登録申請書や誓約書、実務経験証明書などが含まれます。また、法人の場合には履歴事項全部証明書や役員の住民票、技術管理者の住民票や資格証、卒業証書または卒業証明書、受講修了証などが提出されます。

以上が解体工事業登録の要件と手続きに関する内容です。

解体工事業登録の申請方法は、解体工事を行う都道府県知事に対して直接申請を行います。建設業許可とは異なり、解体工事業登録は解体工事を実施する地域の都道府県知事から登録を受ける必要があります。

解体工事業登録は、申請書類の提出と審査に基づいて行われます。申請書類は都道府県の公式ウェブサイトから入手できる様式に従って作成し、必要な書類を添付します。

主な書類には、解体工事業登録申請書、誓約書、実務経験証明書、登録申請者の調書などがあります。また、法人の場合には履歴事項全部証明書、役員等氏名一覧表なども提出する必要があります。

技術管理者に関しては、適格な個人が選任されていることを証明するための書類も必要です。これには技術管理者の住民票、資格証明書、実務経験証明書、受講修了証明書などが含まれます。

解体工事業登録は5年ごとに更新手続きが必要です。有効期間を超える場合には、更新申請を行う必要があります。更新手続きでは、再度要件を満たしていることを証明するための書類や情報の提出が必要となります。

以上が解体工事業登録の要件と手続きに関する概要です。正確な情報と必要な書類の提出を行うことが重要です。解体工事を行う場合は、法的な要件を遵守し、解体工事業登録を適切に取得することをおすすめします。

詳しくは当事務所へ無料相談くださいませ。