「建設業許可は1業種だけ取れば十分」「業種は必要になってから追加すればいい」——そうお考えではありませんか?

実は、建設業許可は最初から複数業種をまとめて取得する方が、コスト・手間・事業展開のすべてにおいて圧倒的に有利です。最初の申請で5業種取得しても、後から1業種ずつ追加しても法定手数料には20万円以上の差が生まれます。

本記事では、建設業許可の複数業種を一括取得するメリット、1人の専任技術者で複数業種をカバーする戦略、注意点まで、建設業専門の行政書士が分かりやすく解説します。

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1. 建設業許可と29業種の構造

建設業許可は、請け負える工事の種類別に全29業種に分かれています(土木一式・建築一式の2つの一式工事+27の専門工事)。

区分業種
一式工事(2業種)土木一式工事、建築一式工事
専門工事(27業種)大工、左官、とび・土工・コンクリート、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、電気通信、造園、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設、解体

業種ごとに個別の許可が必要で、許可を受けていない業種で500万円以上の工事を請け負うと建設業法違反となります。

例:ALCパネル取付工事を行う事業者の場合

ALCパネル取付工事は「タイル・れんが・ブロック工事業」に該当します。同じ事業者が内装仕上工事や建具取付工事も請け負うのであれば、「内装仕上工事業」「建具工事業」の許可も別途必要となります。

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2. 複数業種を「まとめて取得」する3大メリット

複数業種を「まとめて取得」する3大メリット

2-1. 【メリット①】法定手数料が業種数に関係なく一律

建設業許可の法定手数料は、業種をいくつ申請しても1回の申請で「新規9万円(知事)・15万円(大臣)」です。一方、後から追加する場合は1業種追加するたびに5万円かかります。

【コスト比較】5業種を取得する場合(知事許可)

取得方法法定手数料差額
① 最初から5業種をまとめて取得9万円
② 1業種取得→4業種を順次追加9万円+5万円×4 = 29万円+20万円のロス

つまり、まとめて取得するだけで20万円の節約になります。大臣許可の場合はさらに差が大きくなります。

行政書士の報酬も、まとめて申請する方が割安になるケースがほとんどです。初回申請のタイミングが、コスト面で最も有利な業種拡大のチャンスです。

2-2. 【メリット②】1人の専任技術者で複数業種をカバーできる

複数業種取得の最大の戦略ポイントがこれです。専任技術者は、その人が保有する国家資格や実務経験に応じて、1人で複数業種を兼任することが可能です。

【1人で複数業種をカバーできる代表的な資格】

国家資格カバーできる業種数主な対応業種
1級建築施工管理技士約12業種建築一式・大工・左官・屋根・内装仕上・ガラス・塗装・防水・熱絶縁・タイル・れんが・ブロック・鋼構造物・解体 等
1級土木施工管理技士約10業種土木一式・とび土工・石・鋼構造物・舗装・しゅんせつ・塗装・水道施設・解体 等
技術士(建設部門)約9業種土木一式・とび土工・石・鋼構造物・舗装・しゅんせつ・水道施設・塗装・解体
1級電気工事施工管理技士2業種電気工事・電気通信工事
1級管工事施工管理技士1業種管工事(特定建設業も可)
1級建築士6業種程度建築一式・大工・屋根・タイル・内装仕上・鋼構造物 等

例えば、1級建築施工管理技士の保有者が1人いれば、それだけで最大12業種の一括申請が可能です。これを「業種ごとに別々の技術者を確保しなければならない」と誤解して諦めてしまうのは、非常にもったいない話です。

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2-3. 【メリット③】経営業務管理責任者は会社単位で1人でOK

経営業務管理責任者(経管)は会社単位の要件であり、1人いれば取得する業種が何個でも対応可能です。複数業種にしたからといって、経管を業種ごとに置く必要はありません。

2-4. 【メリット④】受注機会の拡大と事業の安定化

複数業種を持つことで、

  • 元請から「うちで全部やってもらいたい」という一括発注を受けやすくなる
  • 1業種の景気変動に左右されにくくなる(リスク分散)
  • 公共工事の入札参加業種を増やせる
  • 経審の総合評定値Pを業種ごとに保有できる

など、事業基盤の安定化にも寄与します。


3. 業種追加申請の手間と「まとめ取得」の比較

「とりあえず1業種で取得して、必要になったら追加すればいい」と考える方も多いですが、業種追加申請は新規申請とほぼ同じ書類量が必要です。

業種追加申請に必要な主な書類

  • 申請書類一式(新規とほぼ同様の様式)
  • 追加業種の専任技術者の証明書類
  • 直前の決算変更届の控え
  • 履歴事項全部証明書(または法人番号記載)
  • 納税証明書 等

つまり、業種追加のたびに、行政書士への依頼費用、書類収集、行政庁とのやりとりが発生します。「最初の手間」を一度に済ませた方が、トータルでは圧倒的に効率的です。


4. 複数業種申請時の注意点

複数業種申請時の注意点

4-1. すべての業種で5要件を満たす必要がある

複数業種を申請する場合も、各業種について以下の要件を満たす必要があります。

  1. 経営業務管理責任者(1人で全業種カバー可)
  2. 各業種に対応した専任技術者の配置
  3. 財産的基礎(自己資本500万円以上等)
  4. 誠実性
  5. 欠格要件に該当しないこと

特に「専任技術者が業種ごとに要件を満たすか」の確認が最重要です。

4-2. 一般と特定が混在する場合

例えば「電気工事業は一般、土木一式工事業は特定」のように、業種ごとに一般・特定を分けることも可能です。ただし、同一業種で一般と特定を同時に持つことはできません(例:電気工事業を一般と特定の両方ではNG)。

4-3. 業種により必要な技術者の資格が異なる

例として、

  • 電気工事業:1級・2級電気工事施工管理技士、第1種電気工事士 等
  • 管工事業:1級・2級管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者 等
  • 建築一式工事:1級・2級建築施工管理技士、1級建築士 等

それぞれ要件を満たす技術者の配置が必要です。1人で複数業種を兼任できる場合と、別途確保が必要な場合があるため、事前の戦略立案が重要です。

4-4. 書類の量が増える

業種数に応じて、専任技術者の証明書類、実務経験証明書、工事実績資料などが増えます。書類不備による補正・差し戻しのリスクも高まるため、専門家のサポートが推奨されます。

💡 取得後の継続義務についてはこちら 👉 建設業許可「取得後」に必ずやるべき3つの義務|更新で泣かないための管理術


5. 複数業種取得に関するよくあるご質問(FAQ)

Q1. 業種を増やしすぎると何かデメリットはありますか?

特に大きなデメリットはありませんが、毎年の決算変更届で全業種について工事経歴書を作成する必要があるなど、維持管理の手間は若干増えます。ただし、コスト面・営業面のメリットの方が一般的に上回ります。

Q2. 業種は後から減らすこともできますか?

可能です。「廃業届」を提出することで、特定の業種だけ廃業し、他の業種は維持することができます。

Q3. 申請手数料は具体的にいくらですか?

  • 知事許可 新規:9万円(業種数に関係なく一律)
  • 知事許可 業種追加:5万円/回
  • 大臣許可 新規:15万円(登録免許税、業種数に関係なく一律)
  • 大臣許可 業種追加:5万円/回

詳しくは 👉 建設業許可の申請手数料を徹底解説|知事・大臣・新規・更新の費用まとめ

Q4. 1人の専任技術者で何業種までカバーできますか?

保有する資格次第ですが、1級建築施工管理技士なら最大12業種程度、1級土木施工管理技士なら最大10業種程度をカバーできます。

Q5. 業種ごとに一般・特定を分けて取得できますか?

可能です。 例:A業種は一般、B業種は特定、という取得方法ができます。ただし、同一業種で一般と特定を同時に持つことはできません

Q6. ALC工事や内装仕上、建具取付は別の業種扱いですか?

はい、業種が異なります。

  • ALCパネル取付 → タイル・れんが・ブロック工事業
  • 内装仕上 → 内装仕上工事業
  • 建具取付 → 建具工事業

すべて請け負う場合は3業種の許可が必要です。


6. まとめ|業種選定と複数業種取得はYAS行政書士事務所にご相談ください

建設業許可の複数業種取得は、

  • 法定手数料を最大20万円以上節約できる
  • 1人の専任技術者で最大12業種カバーできる
  • 業種追加の手間(書類準備・行政手続き)を省ける
  • 受注機会・事業安定性が大幅に向上する

など、戦略的に取得することで企業の成長基盤を大きく強化できます。一方で、業種選定・専任技術者の振り分け・書類準備は専門知識が必要で、間違えると要件不適合で許可が下りないリスクもあります。

YAS行政書士事務所では、建設業許可の業種選定の戦略立案から、新規一括取得、業種追加、般・特新規申請、経審・入札参加資格申請まで、ワンストップでサポートいたします。許可取得率100%継続中・100%返金保証付きで、お客様の許可取得を全力で支援いたします。

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