建設業界の動向を占う上で欠かせない「建設業許可業者数」の統計。2021年に書いた以前のブログでは「3年連続増加」とお伝えしましたが、2026年現在、その勢いは衰えるどころか、驚くべき推移を見せています。
「若手不足で廃業が増えているはずなのに、なぜ許可業者は増え続けているのか?」
今回は、国土交通省の最新調査(令和6年3月末時点のデータを中心とした最新動向)をベースに、建設業専門の行政書士がその裏側にある「業界の変化」と「生き残り戦略」を徹底解説します。
1. 【データ更新】全国の許可業者数は「12年連続」で増加中!
まずは最新の数値を見てみましょう。国土交通省が発表した直近の調査結果によると、全国の建設業許可業者数は 479,561 業者。これは、平成25年度から数えて12年連続の増加となります。
2021年当時の記事では47万3千業者余りでしたが、さらに約6,000業者以上増えている計算になります。建設業界全体では高齢化や人手不足による「倒産・廃業」のニュースが目立ちますが、許可業者数に限っていえば、右肩上がりの状況が続いているのです。
なぜ「許可」を持つ業者が増えているのか?
行政書士として現場で感じる最大の理由は、「コンプライアンス(法令遵守)の徹底」です。
かつては「500万円未満の工事なら許可はいらない」というのが通り相場でした。しかし現在、元請会社やハウスメーカー、さらには銀行融資の審査において、「金額に関わらず、建設業許可がない業者とは取引しない」という姿勢が完全に定着しました。つまり、許可を持っていないと土俵にすら上がれない「許可必須時代」に突入したことが、この数字に表れています。
2. 令和2年改正の「事業承継・相続制度」は今やスタンダードに
2021年当時に「施工半年で203件」と紹介した「事業承継(認可)制度」。当時はまだ始まったばかりの手続きでしたが、2026年現在は、建設業者のM&Aや世代交代において無くてはならない制度として定着しました。
制度のメリットを再確認
以前は、会社を合併したり、個人事業主から法人化(法人成り)したりする場合、一度許可を「廃業」し、新会社で「新規申請」をする必要がありました。これでは、許可が下りるまでの空白期間が生じ、工事が受注できないリスクがありました。
しかし現在の制度では、事前に「認可」を受けることで、1日の空白もなく許可を引き継ぐことが可能です。
- 譲渡・譲受(M&A): 営業権を売買しても許可が途切れない
- 合併・分割: 組織再編がスムーズに
- 相続: 事業主が亡くなっても、子供が許可を即座に引き継げる
実務上、この「認可」の手続きは非常にスケジュール管理がシビアですが、当事務所でも年間を通じて多くのご相談をいただく、非常にニーズの高い分野となっています。
3. 都道府県別の最新ランキング:埼玉県は「第5位」を堅持

都道府県別の業者数を見ると、やはり大都市圏の強さが際立ちます。
| 順位 | 都道府県 | 業者数(概数) |
| 1 | 東京都 | 約45,500 |
| 2 | 大阪府 | 約40,200 |
| 3 | 神奈川県 | 約29,100 |
| 4 | 愛知県 | 約27,300 |
| 5 | 埼玉県 | 約24,500 |
埼玉県は全国5位。人口増加が続くエリアであり、都心へのアクセスも良いため、建設業の拠点として非常に人気の高い地域です。一方で、鳥取県や島根県といった地域では業者数が少なく、地域格差は依然として課題となっています。
4. 【行政書士の指摘】許可が増える一方で、審査は「激ムズ」化している?
業者数が増えているからといって、許可が取りやすくなったわけではありません。むしろ、2020年(令和2年)10月の法改正以降、審査のハードルは実質的に上がっています。
最大の壁:社会保険への加入義務化
現在、適切な社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)に加入していない事業者は、新規申請も更新申請も一切受理されません。 以前は「未加入のままでも指導を受けるだけ」で済んでいたケースもありましたが、今は「未加入=許可失効」という非常に厳しい運用です。このため、社会保険料の負担が重荷となり、許可を諦める小規模事業者も少なくありません。
経営業務管理責任者(経管)要件の柔軟化
一方で、経営者の要件は緩和されました。以前は「同じ業種の経営経験」が重視されましたが、現在は建設業であればどの業種でも通算5年の経験があれば認められるなど、「他業種からの参入」がしやすくなっています。これが、IT企業や不動産業者が「電気通信」や「建築」の許可を取得し、業者数を押し上げている一因でもあります。
5. これからの建設業者が備えるべき「2つの変化」

2026年以降、建設業許可を維持していくためには、以下の2点に注目する必要があります。
① 電子申請(JCIP)の完全移行
2023年から始まった電子申請システム。現在は多くの自治体で推奨されており、将来的には「紙の申請」が原則廃止される流れにあります。GビズIDの取得や書類のデジタル化など、「ITが苦手」と言っていられない時代が来ています。
② 2024年問題(時間外労働の上限規制)への対応
「働き方改革」に伴う残業規制は、許可の維持に直接関係ないと思われがちですが、実は経営事項審査(経審)や公共工事の評価に大きく関わってきます。適切な労務管理ができているかどうかが、許可業者のランクを決める重要な指標となっています。
6. まとめ:許可は「守る」時代から「活かす」時代へ
全国の許可業者数が12年連続で増えているという事実は、「許可を持っていて当たり前」という世界になったことを意味します。
これからは許可を取って満足するのではなく、その許可を活かして「社会保険を完備したホワイトな会社」としてアピールし、若手人材を確保し、事業承継制度を使って次世代にバトンを繋いでいく。そんな「経営の質」が問われるフェーズに入っています。
「うちは小さいから許可なんて……」
「書類が複雑すぎて何から手をつけていいかわからない」
そんな悩みで立ち止まっている間に、ライバルたちは着々と許可を揃え、大きなチャンスを掴んでいます。
📩 建設業許可の新規・更新・事業承継のご相談はこちら
当事務所は、埼玉県・茨城県を中心に、建設業許可に特化したサービスを提供しています。
- 新規取得: 10年の実務経験証明など、難易度の高い案件も得意です。
- 更新・決算報告: 面倒な毎年の事務作業を丸投げいただけます。
- 事業承継: 世代交代や法人化に伴う許可の引き継ぎを、最短でサポートします。
「お客様の許可を一生守り続けるパートナー」として、私たちが伴走します。まずは無料相談から、お気軽にご連絡ください!
建設業許可申請専門 YAS行政書士事務所
- 電話相談: [0120-114-908](平日 9:00〜18:30)
- メール相談: お問い合わせフォームはこちら
- 対応エリア: 埼玉県、茨城県、東京都、千葉県など関東全域対応。ZOOM相談も可能です。



