建設業を営む皆様にとって、建設業許可は「いつかは取らなければならないもの」から「持っていないと仕事が回ってこないもの」へと、その立ち位置が大きく変化しています。

今回は、国土交通省から発表された最新の統計データ(令和6年3月末時点および最新動向)をベースに、建設業許可を取り巻く現状と、令和の時代に許可を持つ真のメリット・デメリットを専門家の視点でリライト解説いたします。

1. 建設業許可業者数の最新推移:実は「12年連続」で増加中!

「建設業界は若手不足で廃業が多い」というニュースを耳にすることが多いですが、実は建設業許可を持っている業者の数は増え続けています。

国土交通省の調査によると、令和6年3月末現在の建設業許可業者数は 479,561 業者。これは前年同月比で 0.4%の増加となり、平成25年度以降、12年連続で増加しているのです。

なぜ業者は減っているのに「許可」は増えるのか?

その最大の理由は、「コンプライアンス(法令遵守)の徹底」です。 かつては「500万円未満の軽微な工事なら許可はいらない」というのが業界の常識でした。しかし現在は、元請業者やハウスメーカー、さらには施主である民間企業から、「金額に関わらず、許可を持っていない業者とは契約しない」と明言されるケースが急増しています。

つまり、「必要だから取る」のではなく、「生き残るために取らざるを得ない」という状況が、この12年連続の増加を支えているのです。

2. 【新規・廃業のリアル】バブル期との決定的な違い

令和5年度(最新集計期間)の動向を見ると、許可業者の「中身」が変わっていることがわかります。

  • 新規許可: 年間約 17,000〜18,000 業者(安定して推移)
  • 廃業等: 年間約 15,000 業者(微増傾向)

以前(平成11年頃)の許可バブル期は、実績が乏しくても「とりあえず取っておこう」という業者が多かったのですが、現在は「社会保険への加入」が許可の必須要件となっているため、経営基盤が整った、覚悟のある事業者だけが取得・維持している傾向にあります。


3. 建設業許可を取得する「4つの強力なメリット」

現在の建設業界で許可を維持することには、単なる「500万円以上の工事ができる」以上の価値があります。

① 工事請負金額の制限がなくなる

これが最大の法的なメリットです。1件の請負代金が500万円(税込)以上の工事を適法に請け負えます。

※行政書士の指摘: この500万円は「材料費込み」「消費税込み」です。昨今の資材高騰を考えると、少し大きめのリフォームや修繕ですぐに500万円を超えてしまうため、無許可での営業は常に「法律違反」のリスクと隣り合わせです。

② 外国人労働者の受け入れ(新制度:育成就労への対応)

2024年以降、従来の「技能実習」に代わる新制度「育成就労」が動き出しました。建設業において外国人スタッフを雇用・受け入れするには、原則として建設業許可を持っていることが条件となります。人材確保の面でも許可は必須の武器です。

③ 公共工事への参入(経営事項審査)

国や地方自治体の工事に直接参加したい場合、建設業許可を取得し、「経営事項審査(経審)」を受けることがスタートラインとなります。

④ 社会的信用の「証明書」

建設業許可は、5年間の経営経験、専任の技術者、500万円以上の資金力、そして社会保険の完備を国や県が証明したものです。銀行融資や事務所の賃貸、新規取引の開始時に、許可証1枚で審査がスムーズに進みます。

4. 知っておくべき「デメリット」と責任の重さ

デメリットというよりは「維持するためのコスト」と言い換えるべきですが、以下の点には注意が必要です。

  • 社会保険料の負担: 法人は1人から、個人は従業員5人から加入が義務化されています。
  • 毎年の決算報告(事業年度終了届): 決算から4ヶ月以内に、毎年の実績を報告しなければなりません。
  • 5年ごとの更新手続き: 更新を忘れると、1日でも過ぎた瞬間に許可が失効します。

5. 業種別・資本金別のデータから見るトレンド

取得数が多い業種トップ3

  1. とび・土工工事業 (全体の約36%)
  2. 建築工事業 (全体の約31%)
  3. 土木工事業 (全体の約28%)

足場工事や解体を含む「とび・土工」は、外注先としても需要が多く、かつ資材や手間代で500万円を超えやすいため、圧倒的な取得数を誇ります。

資本金のボリュームゾーン

もっとも多いのは「資本金300万円〜500万円未満」の法人で、全体の約22%を占めます。これは、一般建設業許可の資金要件である「500万円以上」を意識した設立や増資が行われているためです。

6. まとめ:許可取得は「将来への投資」

建設業許可は、もはやバブル期のような「お飾り」ではありません。2026年現在、許可を持つことは「私たちは法律を遵守し、従業員を守り、適正な施工を行う企業です」という世界基準のメッセージです。

「500万円を超える工事が来てから考えよう」では遅すぎます。許可が下りるまでには通常1〜2ヶ月、書類準備を含めればさらに時間がかかります。チャンスを逃さないために、経営が安定している今こそ、取得を検討すべきタイミングです。


建設業許可の取得・更新に関する無料相談

当事務所は、茨城県・埼玉県を中心に全国の建設業者様をサポートする「建設業特化型」の行政書士事務所です。

  • 「自分の実務経験で許可が取れるか知りたい」
  • 「社会保険の加入が不安で踏み出せない」
  • 「毎年の届出が溜まっていて更新が不安」

そんなお悩み、まずはプロに丸投げしてみませんか? お電話、ZOOM、訪問にて、建設業専門の行政書士が直接アドバイスいたします。

建設業許可申請専門 YAS行政書士事務所

許可取得という「攻めの経営」を、私たちが全力でバックアップいたします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です