建設現場から切っても切り離せないのが「ゴミ(産業廃棄物)」の取り扱いです。建設業許可を取得してバリバリと現場を回している経営者様でも、実は「産廃」のルールについては「昔からの慣習」で動いてしまっており、知らず知らずのうちに重い罰則(懲役や数千万円の罰金)のリスクを背負っているケースが散見されます。
特に解体工事やリフォーム工事において、廃棄物の扱いのミスは一発で「営業停止」や「許可取り消し」に直結します。今回は、2026年現在の最新基準に基づき、建設業者が守るべき産廃ルールの鉄則を解説します。
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1. 建設廃棄物取り扱いの「絶対原則」:排出事業者は誰か?

建設現場から出る廃棄物(ガラ、木くず、プラスチックなど)について、誰が責任を持つのか。ここには法律上の明確な定義があります。
(1) 排出事業者は「元請業者」である
廃棄物処理法により、建設工事(新築、リフォーム、解体すべてを含む)から生じる産業廃棄物の「排出事業者」は、原則として「元請業者」と定められています。
下請業者が現場で作業をして出たゴミであっても、法律上の持ち主は「元請業者」です。この原則を勘違いして、「下請に勝手に持って帰らせる」ことは、元請にとっては「不適切な委託」、下請にとっては「無許可運搬」というダブルの違法状態を招きます。
(2) 排出事業者が守るべき3つの義務
元請業者(排出事業者)は、以下の義務を負います。
- 自ら処理する場合: 運搬車への表示や書面の備え付けなど、厳しい処理基準を遵守すること。
- 他人に委託する場合: 都道府県知事の許可を持った業者と「書面で」委託契約を締結すること。
- マニフェスト(管理票)の交付: 廃棄物の流れを最後まで追いかける管理票を発行し、5年間保存すること。
2. 下請業者が「産廃収集運搬業許可」を取得すべき理由

「元請が排出事業者なら、下請は許可がいらないのでは?」 そう考える方もいますが、現実は逆です。下請業者が自社のトラックで現場のゴミを運び出す(処分場へ持っていく、または元請の指定場所へ運ぶ)場合、下請業者は「産業廃棄物収集運搬業」の許可が必須となります。
(1) 元請と下請の委託契約
元請業者が下請業者に廃棄物の運搬を任せる場合、両者の間で「産業廃棄物収集運搬委託契約」を結ばなければなりません。この契約を結ぶ前提条件として、下請業者が許可を持っている必要があります。
(2) 「自社物」という言い訳は通用しない
よく現場で「自分の現場のゴミだから自社運搬だ」という主張を聞きますが、先述の通り、建設工事においては下請業者のゴミは「他人のゴミ(元請のゴミ)」です。他人のゴミを運ぶには、必ず収集運搬の許可が必要です。
(3) 例外規定(500万円以下の軽微な運搬)
一部、維持管理工事などで「1回あたりの運搬量がごく少量(1立方メートル以下)」などの極めて限定的な条件を満たせば、下請が許可なしで運べる特例もありますが、通常の建設現場や解体現場ではまず適用されません。「許可なしで運ぶのはリスクしかない」と考えるのが賢明です。
3. 【2026年アップデート】プラスチック資源循環促進法への対応
2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法(プラ新法)」により、建設現場でもプラスチックゴミの扱いがより厳格化されています。
これまで「混合廃棄物」としてまとめて捨てていたものの中から、プラスチックを分別し、リサイクルルートに乗せることが努力義務から実質的な評価対象へと変わっています。経営事項審査(経審)の加点項目や、大手元請の選定基準として「環境への配慮(産廃の適正管理)」が強く問われるようになっています。
4. マニフェスト(管理票)の電子化が進んでいます
現在、多くの現場で「電子マニフェスト(JWNET)」の利用が推奨、あるいは義務化されています。
- メリット: 紙の保管が不要(5年間の保存義務もデータで完結)、報告漏れを防げる、事務作業の効率化。
- 注意点: 排出事業者(元請)、収集運搬業者、処分業者の3者がシステムに登録している必要があります。
これから収集運搬業の許可を取る下請業者様は、許可取得と同時に電子マニフェストへの対応準備も整えておくことが、元請から選ばれる条件となります。
5. 解体業者にとって「産廃許可」は免許証と同じ
特に解体業者様の場合、建設業許可(解体工事業)だけでは仕事が完結しません。建物を壊せば必ず膨大なゴミが出ます。
- 解体で出たゴミを自社で運ぶ = 収集運搬業許可
- 解体で出たゴミを自社で処理する(中間処理) = 処分業許可
このセットが揃って初めて、解体業者として「一貫体制」を謳うことができます。元請からすれば、解体も運搬も別々の業者に頼むのは契約の手間が2倍になり、非常に面倒です。「解体許可+産廃収集運搬許可」の二枚看板を持つことは、最強の営業ツールになります。
6. 行政書士が教える「同時申請」のメリット
建設業許可と産業廃棄物収集運搬業許可は、実は共通する書類が非常に多いです。
- 役員の住民票や身分証明書
- 登記事項証明書
- 直近3年分の決算書、納税証明書
- 定款の写し
これらを別々に用意して別々のタイミングで申請するのは、時間も手間も2倍かかります。当事務所では、建設業許可と産廃許可の同時申請を強くお勧めしています。 これにより、書類作成のコストを抑え、かつスピーディーに「現場で即戦力となる状態」を作り出すことが可能です。
7. まとめ:コンプライアンスを経営の武器に
「ゴミの処理なんて、今まで適当にやってきて問題なかった」 その考え方は、今の時代では非常に危険です。SNSでの拡散やドローンによる監視など、不法投棄や不適切処理に対する周囲の目は驚くほど厳しくなっています。一度の過ちで、長年築き上げた「建設業許可」を失うことは、会社にとっての死を意味します。
適切な許可を持ち、適切な契約を結び、適切なマニフェストを発行する。 この当たり前のことを完璧にこなすことが、2026年以降の建設業界で勝ち残るための「最低条件」であり「最強の戦略」です。
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産廃のルールは都道府県によって運用の細かな違いがあり、非常に複雑です。建設業と産廃の両方に精通した当事務所にお任せください。
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