東京都内で建物の解体工事を請け負うためには、「解体工事業登録」もしくは「建設業許可(解体工事業など)」のいずれかを取得していることが絶対条件です。
「うちは埼玉の業者だから、埼玉の登録があれば東京の現場でも仕事ができる」
もしそうお考えであれば、今すぐその認識を改める必要があります。そのまま施工を行うと、東京都での無登録営業(法律違反)となり、厳しい罰則を受けるリスクがあるからです。
本記事では、東京都における解体業のルールと、事業を拡大させるためにどちらの許可・登録を選ぶべきか、建設業専門の行政書士が詳しく解説します。
1. 【結論】あなたはどちらが必要?一目でわかる比較表
まず、ご自身の事業規模と今後の展開に合わせて、どちらが必要かを確認しましょう。
| 比較項目 | 解体工事業登録 | 建設業許可(解体工事業等) |
| 請負金額(税込) | 500万円未満のみ | 制限なし(500万円以上も可) |
| 施工エリア | 登録した都道府県内のみ | 日本全国どこでも可能 |
| 有効期間 | 5年(都道府県ごとに更新) | 5年(全国共通で更新) |
| 技術者の要件 | 技術管理者の選任(実務経験可) | 専任技術者の配置(国家資格等) |
| 財産的基礎 | 特になし | 500万円以上の資金力証明が必要 |
| 産廃運搬との親和性 | 必須(セットでの取得が推奨) | 必須(セットでの取得が推奨) |
2. 東京都の「解体工事業登録」とは

「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称:建設リサイクル法)」に基づき、軽微な解体工事(500万円未満)を行う事業者に義務付けられている登録制度です。
登録が必要な業者
以下のいずれかの建設業許可を持っていない状態で、ビルや家屋の解体を行う場合は、元請・下請を問わず、現場がある都道府県知事の登録を受けなければなりません。
- 土木工事業
- 建築工事業
- 解体工事業
【重要】現場ごとに「都道府県」の登録が必要
解体工事業登録は、「営業所の場所」ではなく「工事現場の場所」で判断されます。
例:埼玉県に営業所がある業者が、東京都足立区の住宅解体を請け負う場合、埼玉県だけでなく東京都知事への登録が別途必要です。これを知らずに県境を越えて施工し、指導を受けるケースが多発しています。
3. 「建設業許可(解体工事業)」を取得する圧倒的なメリット
事業を拡大し、より大きな案件や公共工事、大手ハウスメーカーからの一次下請けを目指すのであれば、登録ではなく「建設業許可」の取得が不可欠です。
① 500万円の壁を突破できる
近年、解体費用の高騰やアスベスト調査・除去費用の義務化により、一般的な戸建て住宅の解体でも総額が500万円を超えるケースが増えています。許可があれば、金額を気にせず見積もりを出すことができます。
② 全国どこでも施工可能
知事許可であっても、営業所が1ヶ所(例:埼玉県)にあれば、現場は東京、神奈川、千葉など全国どこでも施工可能です。現場ごとに都県登録を繰り返す手間と費用を考えれば、建設業許可を取得する方が長期的なコストパフォーマンスは圧倒的に高いと言えます。
③ 社会的信用の向上
建設業許可には「500万円以上の純資産」や「5年以上の経営経験」といった厳しい要件があるため、許可を持っていること自体が「安定した企業」であることの証明になります。
4. 取得の難易度と必要書類の違い
行政書士から見て、両者の申請難易度は大きく異なります。
解体工事業登録の要件
- 技術管理者の選任: 以下のいずれかを満たす人。
- 国家資格保持者(2級土木・建築施工管理技士、解体工事施工技士など)
- 8年以上の実務経験(+特定の講習受講で期間短縮可)
- 不適格事由への非該当: 過去に罰金刑を受けていないこと等。
建設業許可の要件(5つのハードル)
- 経営業務の管理責任者: 5年以上の経営経験がある役員。
- 専任技術者: 1級・2級の国家資格保持者、または10年の実務経験。
- 財産的基礎: 500万円以上の資金調達能力。
- 誠実性・欠格事由: 暴力団関係者ではないこと等。
- 適切な社会保険への加入: (2020年以降、完全義務化されています)
建設業許可は提出書類が膨大で、特に「10年の実務経験証明」が必要な場合は、過去の契約書や通帳の原本確認など、非常に高度な準備が求められます。
5. 【プロの戦略】産業廃棄物収集運搬許可との「同時取得」
解体工事と切っても切れない関係にあるのが、工事で出た廃材(産業廃棄物)を運ぶための「産業廃棄物収集運搬業許可」です。
解体業者が自ら運搬を行う場合、この許可がないと不法投棄とみなされるリスクがあります。
当事務所では、建設業許可(または解体登録)と産廃許可の同時取得を強く推奨しています。
- メリット: 書類が重複するため、別々に申請するより時間と費用が節約できる。
- 信頼性: 元請会社から「解体・運搬・処分」のフローが適正であると高く評価される。
6. まとめ:東京都の解体業参入は「丸投げ」で解決!
東京都の解体現場は、今後も老朽化マンションの建て替えや再開発により、大きな需要が見込まれます。しかし、複雑な法令を無視して参入することは、会社の未来を潰すことになりかねません。
「まずは東京で500万未満の登録をしたい」
「将来を見据えて、埼玉から東京へ進出するために建設業許可に切り替えたい」
どのような状況でも、建設業・解体業専門の行政書士である当事務所が、貴社に最適なプランを提案いたします。東京都庁(新宿)への申請も、埼玉県内の土木事務所への申請も、豊富な実績がございます。
建設業許可申請専門 YAS行政書士事務所
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