建設業を営む会社や個人の皆さんにとって、建設業許可の更新は事業継続のために最も重要な手続きの一つです。これまで弊社のブログでも「29業種の解説」などを行ってまいりましたが、許可は一度取れば一生安泰というわけではありません。
意外と見落とされがちなのが、「建設業許可は5年ごとに更新しなければ、その瞬間に効力を失う」という事実です。これは運転免許の更新よりもはるかに複雑で、事前の準備が合否(更新の可否)を分けます。今回は、許可更新をスムーズに進めるためのポイントを専門家の視点で詳しく解説します。

1. 建設業許可は「5年ごとの更新」が絶対条件
建設業許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日をもって満了します。
例えば、令和3年1月20日に許可を受けた場合、有効期限は令和8年1月19日までとなります。この期限を1日でも過ぎてしまうと、許可は自動的に失効し、「無許可業者」となってしまいます。
もし更新を忘れてしまったら?
万が一、期限内に更新申請が受理されなかった場合、「新規取得」としてゼロからやり直す必要があります。
- 新規申請の費用がかかる(知事許可なら9万円の登録免許税が再度必要)
- 許可番号が変わる(長年使い続けた番号を失う)
- 許可が出るまでの空白期間(約1ヶ月〜2ヶ月)は、500万円以上の工事が請け負えない
このように、更新忘れのリスクは計り知れません。
2. 更新申請のタイミング:30日前までの提出が「鉄則」
法令(建設業法施行規則)では、「有効期間満了の日の30日前までに更新申請書を提出しなければならない」と定められています。
なぜ「30日前」なのか?
窓口で書類に不備が見つかった場合、期限ギリギリだと修正が間に合わず、そのまま失効してしまうリスクがあるからです。多くの自治体では満了日の2ヶ月〜3ヶ月前から受付を開始します。 実務上、「満了日の3ヶ月前から準備を始め、2ヶ月前には申請する」のが最も安全なスケジュールです。
3. 更新時に絶対チェックされる「3つのハードル」
更新申請は、書類を出せば通るというものではありません。過去5年間の「義務」を正しく果たしてきたか、ガッツリと審査されます。
① 毎年の「決算報告(事業年度終了届)」は出しているか?
更新時に最も多いトラブルがこれです。建設業者は、毎事業年度が終了してから4ヶ月以内に、その年度の決算報告書(事業年度終了届)を提出する義務があります。 5年分の決算報告がすべて提出されていないと、更新申請は受理されません。 5年分まとめて出せばいいと考えている方もいますが、溜め込んでしまうと資料(注文書や請求書)の紛失リスクが高まり、結果として更新できなくなるケースが後を絶ちません。
② 役員、住所、経管・専技の「変更届」は出しているか?
許可取得時から、以下のような変更はありませんでしたか?
- 本社を移転した
- 役員が交代した、または氏名が変わった
- 役員の任期が切れて再任(重任)登記をした
- 経営業務の管理責任者(経管)や専任技術者(専技)が退職・交代した
これらの変更があった場合、原則2週間〜30日以内に変更届を出す義務があります。変更届が未提出のまま更新申請をしても、そのままでは受け付けてもらえません。 まずは変更届をすべて遡って提出する必要があります。
③ 社会保険への加入(2020年10月改正の重要ポイント)
2020年(令和2年)の法改正により、社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への加入が建設業許可の要件となりました。 現在、適切な保険に未加入の状態では、更新申請は受理されません。「個人事業主だから」「従業員が少ないから」といった理由で未加入のままの方は、更新を機に加入手続きを行う必要があります。
4. 更新申請に必要な主な書類
更新時には「現状が許可要件を満たし続けているか」を証明する書類が必要です。
- 建設業許可申請書(更新)
- 役員等の一覧表・略歴書
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 納税証明書(知事許可なら県税、大臣許可なら法人税)
- 健康保険等の加入状況を証する資料(領収書や標準報酬月額決定通知書)
- 営業所の写真(現状の確認)
特に納税証明書は、税金の滞納があると発行されず、結果として更新ができません。事前の完納を確認しておきましょう。
5. 登記内容との「一致」が不可欠
意外な落とし穴が「登記簿(履歴事項全部証明書)」です。 株式会社などの法人の場合、役員には任期があります。任期が切れているのに重任登記を忘れていた場合、建設業許可の更新時に「役員の資格がない(登記上の欠陥)」と指摘されます。 また、自宅兼事務所などで住所の「号」や「マンション名」が登記と許可内容で1文字でも違っている場合も修正を求められます。常に「現状・登記・許可証」の3つが一致していることが重要です。
6. 更新手続きを専門家(行政書士)に依頼するメリット
「更新くらい自分でできる」とお考えの方も多いですが、実務上、行政書士に依頼するメリットは非常に大きいです。
- 毎年の決算報告を代行: 期限を忘れがちな毎年の届出を任せることで、5年後の更新が100%確実になります。
- 書類不備のゼロ化: 役員の任期切れや住所の不一致など、プロの目で事前にチェックし、一発で受理される書類を作成します。
- 時間の節約: 煩雑な書類作成や、混み合う土木事務所への往復にかかる時間を、本業(工事)に充てることができます。
- 法令改正への対応: 社会保険の義務化など、刻々と変わるルールをいち早くキャッチし、対策を提案します。
7. 建設業許可更新のためのチェックリストまとめ
許可を失わないために、以下の3点を今すぐ確認してください。
- 有効期限まであと何ヶ月あるか?(3ヶ月前なら即準備!)
- 過去5年分の決算報告はすべて提出済みか?
- 役員や住所などの登記内容に、現在と食い違いはないか?
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建設業許可の更新は、建設業を継続して行うために欠かせない「命綱」のような手続きです。 「資料が足りない」「何年も届出をサボってしまった」「社会保険の手続きが不安」という方も、諦める前にまずは当事務所へご相談ください。一刻も早い対応が、許可を救うことにつながります。
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