「過去に自己破産した経験があるから、もう建設業許可は取れない……」 「数年前に交通違反で罰金刑を受けたが、欠格要件に引っかかるのか?」

ネット上の掲示板や噂話で「破産者や前科者は一生許可が取れない」という極端な話を見かけることがありますが、これは大きな誤解です。

結論から言えば、過去に破産していても、前科があっても、一定の条件をクリアしていれば建設業許可は取得できます。 その鍵を握るのが「復権」と「欠格要件(けっかくようけん)」という言葉です。

1. そもそも「欠格要件」とは何か?

建設業許可は、大きな金額が動く公共性・信頼性の高い仕事です。そのため、建設業法では「こういう人は許可を与えるにふさわしくない」という基準を設けています。これが「欠格要件」です。

許可の新規申請だけでなく、5年ごとの更新時、さらには役員の交代時にも毎回チェックされます。

【重要】最新の欠格要件リスト(2026年現在)

以下のいずれかに当てはまる場合は、許可を受けることができません。

  1. 虚偽の記載がある: 申請書や添付書類に嘘を書いた、または重要な事実を隠したとき。
  2. 破産者で復権を得ない者: 自己破産の手続き中で、まだ「復権」していない人。(※後述)
  3. 精神の機能の障害により業務を適正に行うに足りる能力を有しない者: > ※2022年記事からの修正点: 以前は「成年被後見人・被保佐人」は一律失格でしたが、現在は「個別審査」となり、心身の故障があっても業務に支障がないと判断されれば許可が取れます。
  4. 不正な手段で許可を受け、取り消されてから5年以内: 営業停止処分違反などで許可を取り消された場合など。
  5. 禁錮以上の刑に処せられ、執行終了から5年以内: 「懲役」や「禁錮」を指します。執行猶予期間中は?という疑問については後述します。
  6. 特定の法律(建設業法、暴力団排除法、刑法の一部など)違反で罰金刑を受け、5年以内: > ※すべての罰金ではなく、建設業法違反や、傷害・暴行など特定の罪種が対象です。
  7. 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年以内。

2. 自己破産していても許可が取れる「復権」の仕組み

「破産者=許可NG」という言葉の裏側にあるのは、「復権(ふっけん)していない場合はNG」という意味です。

復権とは?

破産手続きをすると、一定の資格(弁護士、宅建士、警備員など)が制限されますが、裁判所から「免責許可(借金をチャラにすること)」が確定すると、同時にそれらの制限が解除されます。この状態を「復権」と呼びます。

復権までの期間(目安)

  • 同時廃止(財産がない場合): 3ヶ月〜4ヶ月程度
  • 管財事件(財産がある場合): 4ヶ月〜1年程度

つまり、免責が確定していれば、過去に何回自己破産していようが、建設業許可の取得には全く影響ありません。

プロのアドバイス: 「復権」したことを証明するには、本籍地の市区町村で発行される「身分証明書」を確認します。そこに「破産の手続き開始の決定を受けていない」という旨が記載されていれば、法的な破産者ではない(=復権している)ことの証明になります。

3. 「前科」がある場合のOK・NGライン

前科についても、すべての罪がNGなわけではありません。

懲役・禁錮の場合

罪種を問わず、刑期を終えてから(または刑の執行を受けることがなくなった日から)5年を経過していれば、欠格要件には該当しません。

執行猶予中の場合

ここが間違いやすいポイントですが、執行猶予期間中は許可が取れません。 しかし、執行猶予期間が無事に満了すれば、翌日から申請が可能になります(5年待つ必要はありません)。

罰金刑の場合

罰金の場合は、「何の罪で罰金を受けたか」が重要です。

  • 対象となる罪: 建設業法違反、暴力団排除法違反、刑法の特定の罪(傷害、暴行、脅迫、背任など)
  • 対象外の罪: 一般的な交通反則金(青切符など)。ただし、酒気帯び運転等で罰金刑(赤切符)となった場合は、罪名によって判断が分かれるため注意が必要です。

4. 「審査の対象」は誰まで?(法人の場合)

欠格要件のチェックを受けるのは、事業主本人だけではありません。法人の場合は、以下のメンバー全員が「真っ白」である必要があります。

  • 役員等: 取締役(監査役含む)、執行役。
  • 顧問・相談役: 取締役と同等以上の支配力を持つと判断される人。
  • 株主: 総議決権の100分の5以上を保有する株主(個人・法人問いません)。
  • 令3条の使用人: 支店長や営業所長など、契約締結の権限を持つ人。

「株主が過去に問題を起こしていたことを知らなかった」では済まされないのが、建設業許可の厳しいところです。

5. まとめ:不安を抱えたまま諦めるのはもったいない!

自己破産や過去のトラブルは、確かに精神的な負担になります。しかし、日本の法律は「再起」を認めています。

  • 自己破産済み = 免責(復権)していれば全く問題なし!
  • 前科がある = 5年経過、または執行猶予満了で問題なし!
  • 借金返済中 = 破産手続き中でなければ問題なし!(借金があるだけでは欠格要件になりません)

建設業許可は、貴社の信頼を形にするものです。欠格要件に不安がある場合こそ、闇雲に申請して「虚偽記載」とみなされる前に、専門家へご相談ください。

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