「Wi-Fi環境を整えるLAN工事を受注したいが、許可が必要と言われた」 「防犯カメラの設置工事で500万円を超える案件が来そうだが、どの業種を取ればいい?」

IT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する現代において、「電気通信工事業」の建設業許可の重要性はかつてないほど高まっています。しかし、実務上、非常に多くの事業者が「電気工事業」との違いで混乱し、間違った準備をして遠回りしてしまっています。

今回は、電気通信工事業の許可要件を、最新の法改正情報と専門家の視点から詳しく解説します。

1. 「電気工事」と「電気通信工事」の決定的な違い

一言で「電気の工事」といっても、建設業許可においては全く別の業種として扱われます。

  • 電気工事業: 強電(きょうでん)と呼ばれ、主に「エネルギー(電気そのもの)」を供給するための工事です。コンセント、照明、配電盤、太陽光発電などが該当します。
  • 電気通信工事業: 弱電(じゃくでん)と呼ばれ、主に「情報」を送るための設備を設置する工事です。インターネット(LAN)、電話、テレビアンテナ、防犯カメラ、インターホンなどが該当します。

もし、1件の請負代金が500万円(税込)以上になる工事において、照明も付ければネットワークも組むという場合、それぞれの許可が必要になるケースがあります。まずは貴社のメイン工事が「エネルギー」なのか「情報」なのかを明確にしましょう。

2. 電気通信工事業に該当する具体的な工事例

建設業許可事務ガイドラインでは、電気通信工事を以下のように定義しています。

「有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事」

具体的には、以下のような工事が電気通信工事業に該当します。

  • LAN工事・情報通信設備: PCネットワーク、サーバー設置、光ファイバー敷設
  • アンテナ・放送設備: 共同アンテナ、CATV設置、TV電波障害防除
  • 通信・セキュリティ: インターホン設置、防犯カメラ、火災報知器(※消防施設工事と重なる場合あり)
  • 無線設備: 空中線設備、携帯電話の基地局設置

近年では、スマートホーム化やオフィスビルのIoT化に伴い、これらの設備を統合的に管理する「情報制御設備工事」の需要も急増しています。

3. 【2026年版】建設業許可取得のための5つの要件

電気通信工事業の許可を取得するには、以下の5つの要件(5つの柱)をすべてクリアする必要があります。

① 経営業務の管理責任者(経管)

【重要:法改正によるアップデート】 以前は「同じ業種なら5年、他業種なら6年」の経営経験が必要でしたが、現在は法改正により「建設業ならどの業種でも5年以上の経営経験」があれば認められるようになりました。

  1. 建設業の役員(取締役)としての経験が5年以上ある
  2. 個人事業主として建設業を5年以上営んでいる
  3. 役員に準ずる地位(執行役員や経営補佐)での経験がある

この「5年」を証明するために、過去の確定申告書や登記簿謄本、さらに「実際に建設業を営んでいたこと」を示す注文書や請負契約書が必要になります。

② 専任技術者(専技)の設置

営業所ごとに、電気通信工事の専門知識を持つ技術者を常勤させなければなりません。

③ 財産的基礎(資金力)

  • 一般建設業: 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること。
  • 特定建設業: 資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上など、非常に厳しい基準があります。

④ 誠実性

請負契約に関して、不正または不誠実な行為をするおそれがないこと。

⑤ 欠格要件への非該当

役員や株主などが、破産者や暴力団員、または過去に重大な法令違反を犯していないこと。

4. 専任技術者になれる資格と「実務経験」のルール

電気通信工事業の「専任技術者」になるには、以下のいずれかのルートを通る必要があります。

A. 国家資格による証明(推奨)

資格があれば、膨大な実務経験の証明書類が不要になります。特に注目の資格は以下の通りです。

  • 電気通信工事施工管理技士(1級・2級): 2019年に新設された、まさにこの業種のための国家資格です。現在、SEO的にも実務的にも最も価値のある資格です。
  • 技術士(電気電子・総合技術監理)
  • 電気通信主任技術者: ※資格取得後、5年以上の実務経験が必要です。

B. 実務経験による証明

資格がない場合、以下の経験年数があれば専任技術者になれます。

  • 10年以上の実務経験: 電気通信工事の実績を10年分証明する。
  • 学歴+実務経験: 指定学科(電気工学、通信工学等)を卒業している場合、大学・短大卒なら3年、高卒なら5年の実務経験でOKです。

※特定建設業の場合: 1級施工管理技士などの上位資格、または一般の要件に加えて「2年以上の指導監督的な実務経験」が必要です。

5. 【行政書士の提言】電気通信工事業の許可は「セット」で考える

実務上、電気通信工事だけを行っている業者は稀です。多くの場合、以下の許可とセット、あるいは関連して検討することになります。

  1. 電気工事業との同時取得: 電源供給からネットワーク構築まで一貫して請け負うため、両方の許可を持つことが受注の最大化に繋がります。
  2. 消防施設工事業との関連: 火災報知器などは電気通信工事とも密接に関わります。
  3. 電気工事業登録(みなし登録)との違い: 許可とは別に、一般用電気工作物を扱う場合は「電気工事業法」に基づく登録も必要になるため、注意が必要です。

6. まとめ:ITインフラを支える許可業者へ

電気通信工事業の建設業許可は、貴社が「次世代のITインフラを支える信頼できるパートナー」であることの証明です。

  • 「500万円の壁」を突破して大型案件を受注できる。
  • 公共工事(学校のGIGAスクール構想関連など)への参入が可能になる。
  • 元請業者や大手IT企業からの信用が飛躍的に高まる。

要件の確認や書類の収集(特に10年の実務経験証明や経管の5年証明)は非常に困難ですが、ここを突破すれば、貴社のビジネスチャンスは無限に広がります。

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