建設業許可を取得・維持する上で、必ず発生するのが役所へ納める「法定手数料」です。

2026年現在、建設業許可等電子申請システム(JCIP)の本格運用により、手数料の支払い方法も「収入証紙を貼る」スタイルから「オンライン決済」へと劇的に変化しています。また、申請の種類を組み合わせることで、手数料を節約できるケースも存在します。

今回は、申請前に絶対に確認しておくべき「お金」の話を、建設業専門の行政書士が詳しく解説します。

1. 【結論】建設業許可の申請手数料一覧

建設業許可の申請手数料一覧

まず、もっとも重要な「いくらかかるのか」を整理します。

※元記事の単位(万円)を正しい金額(円)に修正しています。

① 都道府県知事許可(埼玉県・茨城県など)

1つの都道府県内にのみ営業所がある場合の費用です。

申請の種類手数料の額納付先
新規申請(初めて取得する)90,000円各都道府県
許可換え新規(例:東京→埼玉へ移転)90,000円各都道府県
般・特新規(例:一般から特定へ)90,000円各都道府県
業種追加(既存の許可に業種を足す)50,000円各都道府県
許可更新(5年ごとの継続)50,000円各都道府県

② 国土交通大臣許可

2つ以上の都道府県に営業所がある場合の費用です。

申請の種類登録免許税・手数料納付先
新規申請150,000円国(税務署)
許可換え新規150,000円国(税務署)
般・特新規150,000円国(税務署)
業種追加50,000円
許可更新50,000円

2. 【重要】不許可になっても「1円も戻ってこない」という現実

ここがもっとも注意すべきポイントです。

行政書士の警告:

申請手数料や登録免許税は、あくまで「審査」に対する対価です。

「欠格要件に該当していた」「書類の不備で許可が下りなかった」という場合でも、一度納付した手数料は一切返還されません。

もし、ご自身で申請して9万円(大臣なら15万円)を納めた後に「実は役員の経歴が足りなかった」「500万円の残高証明の日付が間違っていた」と判明して不許可になった場合、そのお金は文字通り「捨ててしまう」ことになります。

3. 2026年現在の「支払い方法」の変化

2019年当時は「収入証紙(切手のようなもの)」を役所の窓口で買って貼るのが主流でしたが、現在はデジタル化が進んでいます。

  • 電子申請(JCIP)の場合:ネットバンキング(Pay-easy)やクレジットカードでの電子納付が可能です。わざわざ平日に役所や銀行へ行く必要がありません。
  • 窓口申請の場合:多くの自治体(埼玉県など)で収入証紙が廃止され、クレジットカードや電子マネー、コード決済(PayPay等)によるキャッシュレス納付へと移行しています。現金が使えない窓口も増えているため、事前の確認が必須です。

4. 手数料を「節約」する賢い組み合わせ

手数料を「節約」する賢い組み合わせ

複数の手続きが必要な場合、タイミングを合わせることでトータルコストを抑えられる可能性があります。

業種追加と更新を同時に行う

例えば、「今は内装の許可だけだが、塗装も追加したい。ちょうど更新時期も近い」という場合。

  • 別々に申請:5万円(業種追加) + 5万円(更新) = 10万円
  • 同時に申請:合計10万円(金額は変わりませんが、行政書士への報酬や、取り寄せる公的書類の実費が1回分で済むため、実質的に数万円の節約になります)

般・特新規と業種追加

知事許可で、一般許可の業種を増やしつつ、一部の業種を特定許可に切り替える場合。

  • 90,000円 + 50,000円 = 140,000円このように、手続きが重なる場合は、それぞれの申請に応じた手数料が加算されます。

5. 手数料以外にかかる「隠れたコスト」

役所に払う手数料以外にも、申請には以下の「実費」が発生します。

  1. 公的証明書の取得費用: 役員全員分の「身分証明書」「登記されていないことの証明書」、法人の「登記事項証明書」「納税証明書」など。1セットで数千円〜1万円程度かかります。
  2. 残高証明書の発行手数料: 金融機関によって異なりますが、1通500円〜2,000円程度。
  3. GビズIDの取得(電子申請の場合): 発行自体は無料ですが、印鑑証明書などの郵送代がかかります。

6. 行政書士に依頼するコストは「保険料」である

「手数料9万円に加えて、行政書士の報酬を払うのは高い」と感じるかもしれません。しかし、プロに任せることには以下の大きなメリットがあります。

  • 「9万円をドブに捨てるリスク」の回避: 事前に要件を精査するため、不許可になる可能性を限りなくゼロにします。
  • 本業への集中: 慣れない書類作成で経営者の時間が奪われる「機会損失」を防ぎます(経営者の日給を考えれば、外注したほうが安上がりなケースがほとんどです)。
  • スピード取得: 2026年現在の電子申請を使いこなし、最短スケジュールで許可を引き寄せます。

まとめ:正しい準備が「無駄な出費」を防ぐ

建設業許可の手数料は、決して安いものではありません。

  • 知事許可(新規):90,000円
  • 大臣許可(新規):150,000円
  • 更新・業種追加:50,000円

この金額を「投資」として活かすか、「勉強代」として失うかは、事前の準備次第です。特に、欠格要件のチェックは慎重に行わなければなりません。

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